2026年9月18日
~頭痛をやわらげ、頭痛のない日を増やすために~
片頭痛は、繰り返し起こる頭痛によって日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。
「頭がズキズキする」
「光や音がつらい」
「吐き気がする」
「頭痛で仕事や家事ができない」
このような症状があるにもかかわらず、「頭痛だから仕方がない」と我慢している方も少なくありません。
しかし、片頭痛は適切な治療によって症状を軽くしたり、頭痛が起こる回数を減らしたりすることが期待できる病気です。
片頭痛の治療には、大きく分けて「頭痛が起こったときの治療」と「頭痛を起こりにくくする治療」があります。
今回は、片頭痛の治療について分かりやすく説明します。
片頭痛の治療は2つに分けられます
片頭痛の治療では、患者さんの頭痛の頻度や強さ、生活への影響などを考えながら治療方法を選びます。
大きく分けると、
① 頭痛が起こったときに症状を抑える「急性期治療」
② 頭痛が起こる回数を減らす「予防療法」
の2つがあります。
頭痛の頻度が少ない場合は、頭痛が起こったときの治療が中心になることがあります。
一方で、頭痛が頻繁に起こる場合や、1回の頭痛が非常につらい場合には、予防療法を検討します。
① 頭痛が起こったときの治療
片頭痛が起こったときには、できるだけ早い段階で適切な薬を使用することが大切です。
一般的には、まず鎮痛薬が使用されます。
代表的なものとして、
① アセトアミノフェン
② NSAIDs(イブプロフェン、ロキソプロフェンなど)
などがあります。
ただし、片頭痛では一般的な鎮痛薬だけでは十分に効果が得られないことがあります。
その場合に使用されるのが「トリプタン」という片頭痛専用の治療薬です。
トリプタンは、片頭痛に関係する神経や血管の働きを抑えることで、頭痛や吐き気などの症状を改善します。
また、近年ではトリプタンとは異なる作用を持つ「ラスミジタン」などの薬も使用されるようになり、治療の選択肢が広がっています。
なお片頭痛では、頭痛だけでなく吐き気や嘔吐を伴うことがあります。
吐き気が強いと、薬を飲んでも十分に吸収されないことがあります。
そのため、必要に応じて吐き気を抑える薬を併用することがあります。
「頭痛薬を飲んでも吐いてしまう」という方は、診察時にそのことを伝えてください。
② 頭痛を起こりにくくする予防療法
片頭痛が頻繁に起こる場合には、「頭痛が起こってから治療する」のではなく、「そもそも頭痛が起こりにくい状態を作る」ことが重要になります。
これが予防療法です。
予防療法では、毎日あるいは定期的に薬を使用して、片頭痛の発作回数や頭痛の程度を減らすことを目指します。
予防薬にはさまざまな種類があります。
従来から使用されている薬に加えて、現在では「CGRP」という片頭痛に関係する物質を標的とした治療薬も登場しています。
CGRP関連薬とは?
片頭痛が起こる仕組みには、「CGRP」という神経伝達物質が関係していることが分かっています。
CGRPが増えることで、三叉神経などを介して痛みが生じ、片頭痛につながると考えられています。
近年では、このCGRPの働きを抑える薬が片頭痛の予防に使用されています。
CGRP関連薬には、内服薬だけでなく注射薬もあります。
これまでの予防薬では十分な効果が得られなかった方でも、治療の選択肢となる場合があります。
どの薬が適しているかは、頭痛の頻度や症状、これまで使用した薬、持病などを考慮して判断します。
片頭痛の治療で大切なのは「薬だけ」ではありません
片頭痛には、薬以外にも症状を悪化させたり、発作のきっかけになったりする要因があります。
そのため、生活習慣を整えることも治療の一つです。
特に、
① 睡眠不足や寝すぎを避ける
② 食事を抜かない
③ 適度な運動をする
④ 水分を十分にとる
⑤ 疲労やストレスをためすぎない
⑥ 自分の頭痛の誘因を把握する
といったことが大切です。
「寝不足のときに頭痛が起こりやすい」
「空腹になると頭痛が起こる」
「月経前後に頭痛が多い」
など、自分の頭痛のパターンを知ることも治療に役立ちます。
頭痛日記をつけてみましょう
片頭痛の治療では、頭痛が「いつ」「どのくらい」「どのように」起こっているかを把握することが重要です。
例えば、
① 頭痛が起こった日
② 頭痛の強さ
③ 頭痛が続いた時間
④ 吐き気や光・音への過敏などの症状
⑤ 月経との関係
⑥ 使用した薬とその効果
などを記録しておくと、診察時に治療方針を決めるうえで役立ちます。
スマートフォンのアプリなどを利用して記録する方法もあります。
頭痛薬の使いすぎには注意しましょう
頭痛が頻繁に起こる方では、「また痛くなるのが怖い」という理由から、頭痛薬を何度も使用してしまうことがあります。
しかし、鎮痛薬などを頻繁に使用すると、逆に頭痛が起こりやすくなることがあります。
これを「薬剤の使用過多による頭痛」といいます。
「以前より頭痛が増えてきた」
「薬を飲む回数が増えている」
「薬を飲まないと不安」
という場合には、一度医療機関で相談することをおすすめします。
単純に薬を増やすのではなく、頭痛そのものを減らすための予防療法を検討することが大切です。
片頭痛は「我慢する病気」ではありません
片頭痛は命に関わる病気ではないことが多い一方で、仕事や学業、家事、外出など、日常生活に大きな影響を与えることがあります。
「頭痛で予定をキャンセルすることが多い」
「仕事を休むことがある」
「市販の頭痛薬を頻繁に飲んでいる」
という方は、治療によって改善できる可能性があります。
また、頭痛の回数が少なくても、一回の発作が非常に強い場合や、薬が効きにくい場合には治療方法を見直すことができます。
このような場合は一度ご相談ください
① 月に何度も頭痛が起こる
② 頭痛で仕事や学校、家事に支障が出ている
③ 市販の頭痛薬を頻繁に使用している
④ 頭痛薬が効かなくなってきた
⑤ 吐き気や光・音への過敏が強い
⑥ 頭痛が起こることへの不安が大きい
このような場合は、一度医療機関で相談してみましょう。
片頭痛と診断された場合には、症状や生活スタイルに合わせて、急性期治療と予防療法を組み合わせながら治療を行います。
突然の激しい頭痛には注意が必要です
一方で、すべての頭痛が片頭痛とは限りません。
「突然、今まで経験したことのないような激しい頭痛が起こった」
「頭痛とともに手足の麻痺やしびれが出た」
「ろれつが回らない」
「意識がおかしい」
「高熱やけいれんを伴っている」
などの場合には、脳出血やくも膜下出血、脳梗塞など、緊急の対応が必要な病気が隠れている可能性があります。
このような場合は、通常の片頭痛として様子を見るのではなく、速やかに医療機関を受診してください。
まとめ
片頭痛は、適切な治療によって症状をコントロールできる病気です。
治療には、
① 頭痛が起こったときに症状を抑える「急性期治療」
② 頭痛が起こる回数を減らす「予防療法」
があります。
さらに、睡眠や食事、運動、水分、ストレスなどの生活習慣を整えることも重要です。
近年では、片頭痛に対する治療薬の選択肢も増えています。
「頭痛だから仕方がない」と我慢せず、頭痛の頻度や症状に困っている場合には、一度ご相談ください。
自分の頭痛の特徴を知り、自分に合った治療方法を見つけることが、頭痛のない日を増やし、より快適な毎日につながります。
当院は脳神経疾患・消化器疾患を専門とするクリニックです。生活習慣病や発熱、健診など一般内科に関しても対応しておりますのでお気軽にご相談ください。
東三国・新大阪・三国など大阪で、
・頭痛がある
・もの忘れが気になる
・パーキンソン病じゃないか心配
・めまいでつらい
このようなお悩みがある方は、きくかわ内科・脳神経・消化器クリニックにご相談ください。