2026年9月11日
「頭痛が繰り返すけれど、片頭痛なのかわからない」「病院ではどのような検査をするの?」「MRIを受ければ片頭痛と診断できるの?」
頭痛で受診される方の中には、このような疑問をお持ちの方も少なくありません。
片頭痛は、日常生活に支障をきたすこともある身近な病気です。一方で、頭痛の原因はさまざまで、片頭痛とよく似た症状がほかの病気でも起こることがあります。
そのため、片頭痛の診断では、頭痛の特徴や経過を詳しく確認し、必要に応じて検査を行うことが大切です。
今回は、片頭痛の診断について、できるだけわかりやすくご紹介します。
片頭痛はどのような病気?
片頭痛は、頭の片側または両側に、ズキズキと脈打つような痛みが起こることが多い頭痛です。
ただし、「片側が痛くなければ片頭痛ではない」というわけではありません。
痛みの場所や感じ方には個人差があり、頭全体が痛くなる方もいらっしゃいます。
片頭痛では、頭痛だけでなく、吐き気や光・音に敏感になるなどの症状を伴うことがあります。
また、頭痛が起こる前に、視界にギザギザした光が見えるなどの「前兆」が現れることもあります。
片頭痛の診断で大切なのは「頭痛の特徴」です
片頭痛は、血液検査や画像検査だけで診断する病気ではありません。
診断では、まず頭痛がどのような症状なのかを詳しく確認します。
特に重要なのは、次のような点です。
① どのような痛みなのか
ズキズキと脈打つような痛みなのか、締め付けられるような痛みなのか、重苦しい痛みなのかを確認します。
② どのくらいの強さなのか
軽い痛みなのか、仕事や家事ができないほど強い痛みなのかを確認します。
③ どのくらい続くのか
数時間で治まるのか、1日以上続くのかなど、頭痛の持続時間も重要です。
④ どのくらいの頻度で起こるのか
月に何回起こるのか、以前より回数が増えているのかなどを確認します。
⑤ どのような症状を伴うのか
吐き気、光や音がつらい、動くと痛みが強くなるなどの症状があるかを確認します。
このような情報を組み合わせることで、片頭痛の可能性を考えていきます。
片頭痛に特徴的な症状
片頭痛では、次のような特徴がみられることがあります。
① ズキズキと脈打つような頭痛
② 頭の片側に痛みが起こることが多い
③ 中等度から強い痛みがある
④ 歩いたり階段を上ったりすると痛みが強くなる
⑤ 吐き気や嘔吐を伴う
⑥ 光や音がつらく感じる
⑦ 数時間から数日間、頭痛が続く
ただし、すべての症状がそろうわけではありません。
また、頭痛の感じ方には個人差があるため、「自分の症状は典型的ではないから片頭痛ではない」と自己判断する必要はありません。
片頭痛の前兆とは?
片頭痛の方の中には、頭痛が始まる前に「前兆」と呼ばれる症状が現れることがあります。
前兆としてよく知られているのが、視界にギザギザした光が見える「閃輝暗点」です。
そのほかにも、次のような症状が現れることがあります。
① 視界の一部が見えにくくなる
② 手足や顔がしびれる
③ 言葉が出にくくなる
④ いつもと違う感覚がある
前兆は通常、徐々に現れてしばらくすると改善します。
ただし、突然起こるしびれや言葉の障害などは、脳梗塞などでもみられる症状です。
特に、これまでに経験したことのない症状が突然現れた場合には、片頭痛と決めつけず、早めに医療機関へご相談ください。
片頭痛の診断では、ほかの病気との区別も大切です
頭痛には、片頭痛以外にもさまざまな種類があります。
例えば、緊張型頭痛では、頭全体が締め付けられるような痛みが起こることがあります。
また、群発頭痛では、目の奥をえぐられるような非常に強い痛みが、一定の期間に集中して起こることがあります。
さらに、脳出血や脳腫瘍、髄膜炎など、早急な対応が必要な病気でも頭痛が起こることがあります。
そのため、診断では「片頭痛らしい症状があるか」だけでなく、「危険な病気を疑う特徴がないか」を確認することも重要です。
このような頭痛には注意が必要です
次のような症状がある場合には、早めの医療機関への受診が必要です。
① 突然、非常に強い頭痛が起こった
② これまでに経験したことのない頭痛が起こった
③ 発熱や首の硬さを伴う
④ 手足のしびれや力の入りにくさがある
⑤ ろれつが回らない
⑥ 意識がぼんやりする
⑦ 頭を打った後に頭痛が続いている
⑧ 頭痛が日ごとに強くなっている
これらの症状がある場合には、片頭痛以外の病気が隠れている可能性もあります。
特に、突然の強い頭痛や、手足の麻痺、言葉の障害などを伴う場合には、脳卒中などの可能性もあるため、早急な対応が必要です。
片頭痛の診断に画像検査は必要?
片頭痛は、頭痛の症状や経過を詳しく確認することで診断できることが多い病気です。
しかし一方で、症状や病歴・診察の結果から画像検査が必要となることがあります。
例えば、次のような場合です。
① 初めて経験する頭痛
② これまでと明らかに違う頭痛
③ 神経の診察で異常がみられる
④ 頭痛の頻度や強さが大きく変化した
⑤ 発熱や意識障害などを伴う
CTやMRIなどの画像検査は、脳出血、脳梗塞、脳腫瘍など、脳の構造に異常がないかを確認するために役立ちます。
ただし、MRIやCTで異常がなかったからといって、片頭痛と確定するわけではありません。
検査結果と症状を合わせて、総合的に診断します。
頭痛の記録が診断に役立ちます
片頭痛の診断では、頭痛が起こったときの記録が非常に役立ちます。
受診前に、次のような内容をメモしておくと、診察がスムーズになります。
頭痛の記録で確認したいこと
① 頭痛が起こった日
② 痛みが始まった時間
③ 痛みが続いた時間
④ 痛みの強さ
⑤ 痛む場所
⑥ 吐き気や光・音のつらさの有無
⑦ 頭痛が起こったときの状況
⑧ 使用した薬と効果
⑨ 月に何回くらい頭痛が起こるか
例えば、「月に何回も頭痛が起こる」「仕事を休むほど痛い」「薬を飲んでもなかなか治らない」といった情報は、診断だけでなく治療方針を考えるうえでも重要です。
片頭痛は治療できる病気です
片頭痛は、完全に症状がなくなることを目指すだけでなく、頭痛の回数や痛みを減らし、日常生活への影響を少なくすることを目指して治療します。
治療には、頭痛が起こったときに使用する「急性期治療薬」と、頭痛の回数を減らすために使用する「予防薬」があります。
また、睡眠不足や過度なストレス、食事を抜くことなどが頭痛のきっかけになる場合もあります。
そのため、薬による治療だけでなく、生活習慣を整えることも大切です。
市販薬を使い続けている方はご相談ください
頭痛が起こると、市販の鎮痛薬を使用して様子を見る方も多いと思います。
しかし、頭痛の回数が多い場合や、鎮痛薬を頻繁に使用している場合には注意が必要です。
薬を使う回数が増えることで、かえって頭痛が起こりやすくなる「薬剤の使用過多による頭痛」がみられることがあります。
「薬を飲む回数が増えてきた」「以前より頭痛が治りにくい」と感じる場合には、一度医療機関へご相談ください。
まとめ
片頭痛は、ズキズキと脈打つような頭痛や、吐き気、光や音がつらくなるなどの症状を伴うことが多い病気です。
ただし、頭痛の感じ方には個人差があり、すべての症状がそろうわけではありません。
片頭痛の診断では、頭痛の特徴や経過を詳しく確認し、必要に応じて画像検査を組み合わせて、ほかの病気が隠れていないかを確認します。
特に、突然の強い頭痛や、これまでに経験したことのない頭痛、手足のしびれや言葉の障害などを伴う場合には、早めの受診が大切です。
「頭痛を繰り返している」「市販薬を飲む回数が増えている」「頭痛で仕事や家事に支障が出ている」など、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
当院では、頭痛の症状や経過を丁寧に確認し、必要に応じて検査を行いながら、片頭痛を含めた頭痛の原因を調べていきます。患者さん一人ひとりの症状に合わせて、適切な治療につなげていきます。
当院は脳神経疾患・消化器疾患を専門とするクリニックです。生活習慣病や発熱、健診など一般内科に関しても対応しておりますのでお気軽にご相談ください。
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