2026年8月28日
脳の電気的な活動を調べる大切な検査です
「脳波検査とはどのような検査ですか?」「痛みはありますか?」「脳波検査をすると何がわかるのでしょうか?」
脳波検査を受けることになり、このような疑問や不安を感じる方もいらっしゃると思います。
脳波検査は、脳の神経細胞が活動するときに生じる電気的な変化を記録する検査です。特に、てんかんの診断や治療方針を考えるうえで重要な検査ですが、それ以外にも、意識障害などさまざまな症状の原因を調べる際に役立ちます。
今回は、脳波検査について、できるだけわかりやすくご紹介します。
脳波とは?
私たちの脳には、数多くの神経細胞があります。
神経細胞は、電気的な活動を通して情報を伝えています。この脳の活動によって生じる、ごく微弱な電気的な変化を記録したものが「脳波」です。
脳波検査では、頭皮に複数の小さな電極を取り付け、脳の電気的な活動を波形として記録します。
「電気を使う検査なので、脳に電気を流すのでは?」と心配される方もいらっしゃいますが、脳波検査は脳に電気を流す検査ではありません。
頭皮の上から脳の活動を記録する検査ですので、基本的に痛みはありません。
身体への負担も比較的少ない検査の一つです。
脳波検査では何がわかるの?
脳波検査が特に重要となるのが、てんかんの診断です。
てんかんでは、脳の神経細胞が一時的に過剰な電気活動を起こすことで、さまざまな発作が起こります。
てんかんというと、「全身がガクガクとけいれんする病気」というイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし、てんかん発作には、けいれん以外にもさまざまな症状があります。
てんかん発作の主な症状
① 全身や手足がガクガクとけいれんする
② 突然意識を失う
③ 数秒から数分間ぼーっとする
④ 呼びかけに反応しなくなる
⑤ 口をもぐもぐと動かす
⑥ 手を無意識に動かす
⑦ 発作の後に何が起こったのか覚えていない
このように、一見するとてんかんとは気付きにくい症状もあります。
脳波検査は、このような症状がてんかんによるものなのかを判断するための重要な手がかりになります。
また、てんかんにはさまざまな種類があり、発作のタイプによって治療方法や使用する薬が異なる場合があります。
そのため、症状だけでなく脳波検査の結果も参考にしながら、できるだけ正確に診断することが大切です。
脳波検査はどのように行うの?
脳波検査では、まず頭皮に複数の小さな電極を取り付けます。
電極をしっかりと固定するために、専用のペーストやクリームを使用します。
その後、ベッドに横になり、できるだけリラックスした状態で脳波を記録します。
検査中には、スタッフから指示に従って、いくつかの動作を行っていただくことがあります。
検査中に行うこと
① 目を閉じる
② 目を開ける
③ 光の点滅を見る
これらは、脳波がどのように変化するかを確認するために行います。
また、開閉眼や光による刺激によって、てんかんに関連した異常な脳波が現れないかを調べる場合もあります。
検査中は基本的に痛みを伴わず、横になっているだけで受けられる検査です。
検査を受ける前に気を付けること
脳波検査では、頭皮に電極をしっかりと取り付ける必要があります。
そのため、検査当日は頭を清潔な状態にして来院することをおすすめします。
また、次のようなものは、できるだけ使用を控えてください。
① ヘアワックス
② ヘアオイル
③ 整髪料
これらが頭皮についていると、電極が装着しにくくなることがあります。
脳波に異常があれば、必ずてんかんなの?
脳波に異常が見つかったからといって、それだけで必ずてんかんと診断されるわけではありません。
また、逆に、てんかんの患者さんでも、一度の脳波検査で異常が記録されないことがあります。
脳波検査は、検査を行っている時間の脳の活動を記録する検査です。
そのため、検査中に異常な電気活動が現れなければ、脳波に異常が記録されないこともあります。
診断では、脳波検査の結果だけではなく、さまざまな情報を総合的に確認します。
診断で重要な情報
① どのような症状が起こったのか
② 症状がどのくらい続いたのか
③ 発作中の意識はどうだったのか
④ 発作の後にどのような状態だったのか
⑤ これまでにも同じような症状があったのか
可能であれば、発作を目撃したご家族などから、発作時の様子を詳しく伺うことも診断の助けになります。
一度の脳波検査で異常が見つからないこともあります
てんかんが疑われる場合でも、一度の脳波検査では異常が記録されないことがあります。
その場合には、症状や状況に応じて、より詳しい検査を検討することがあります。
必要に応じて行われる検査
① 睡眠中の脳波検査
② 長時間脳波検査
➂ ビデオ脳波モニタリング
このような検査では、より長い時間脳波を記録したり、睡眠中の状態を確認したりすることができます。
そのため、「脳波検査が正常だったから、絶対にてんかんではない」と自己判断することは避ける必要があります。
症状と検査結果を合わせて考えることが大切です。
脳波検査と頭部画像検査は何が違う?
脳の検査というと、CTなどの頭部画像検査を思い浮かべる方も多いと思います。
しかし、脳波検査と画像検査では、調べているものが異なります。
頭部CTなどで調べること
主に脳の形や構造を調べます。
① 脳梗塞
② 脳出血
③ 脳腫瘍
④ 脳の萎縮
などを確認することができます。
脳波で調べること
脳波検査では、脳が現在どのように電気的に活動しているかを調べます。
特に、てんかんの診断では重要な役割を果たします。
そのため、必要に応じて脳波、CTなど複数の検査を組み合わせて、症状の原因を調べます。
てんかん以外にも脳波検査が役立つことがあります
脳波検査は、てんかん以外の病気を調べる際にも利用されます。
例えば、原因の分からない意識障害がある場合や、意識がぼんやりした状態が続く場合などに、脳の活動状態を確認するために行われることがあります。
また、脳の機能が低下していることが疑われる場合にも、脳波の状態が診断の参考になることがあります。
ただし、脳波検査だけで病気を確定できるわけではありません。
症状や診察、血液検査、CTなど、必要な検査を組み合わせて判断します。
発作の動画が診断に役立つこともあります
意識を失ったり、手足が動いたりする発作が起こった場合、その様子を記録した動画が診断の参考になることがあります。
動画では、次のような点を確認できる場合があります。
① 目の動き
② 顔の様子
③ 手足の動き
④ 症状が続いた時間
⑤ 発作後の状態
ただし、動画の撮影よりも患者さんの安全確保が最優先です。
転倒やけがを防ぐことを優先し、安全を確保したうえで、可能な場合に記録してください。
このような症状がある場合はご相談ください
次のような症状がある場合には、一度、脳神経内科への相談をおすすめします。
① 突然意識を失ったことがある
② 短時間ぼーっとして反応がなくなることがある
③ 手足がガクガクとけいれんすることがある
④ 発作の前後の記憶がない
⑤ 同じような症状を繰り返している
ただし、これらの症状がすべててんかんによるものとは限りません。
失神、不整脈、低血糖など、ほかの病気によって似たような症状が起こることもあります。
症状を詳しく確認したうえで、必要な検査を選択し、原因を調べていくことが大切です。
まとめ
脳波検査は、頭皮に電極を取り付け、脳の電気的な活動を記録する検査です。
脳に電気を流す検査ではなく、基本的に痛みを伴わないため、比較的安心して受けていただくことができます。
特に、てんかんの診断や治療方針を考えるうえで重要な検査ですが、脳波検査だけですべてを診断できるわけではありません。
一度の脳波検査が正常だったからといって、てんかんを完全に否定できるわけでもありません。
症状の経過や診察、必要に応じて頭部画像検査を組み合わせ、総合的に判断することが大切です。
「突然意識を失った」「手足が震えた」「ぼーっとして反応がなくなることがある」など、気になる症状がある場合には、早めに医療機関へご相談ください。
当院では、症状や経過を丁寧に確認したうえで、必要に応じて脳波検査などを組み合わせながら、症状の原因を調べていきます。
当院は脳神経疾患・消化器疾患を専門とするクリニックです。生活習慣病や発熱、健診など一般内科に関しても対応しておりますのでお気軽にご相談ください。
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